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古民家について

  • 2016年12月12日

 近年私どもディー・ウッドへのご依頼の中に、古民家のリフォームリノベーションがあります。その多くは築100年未満の日本家屋が主であり、ご相談内容は旧形式の暮らしにくい日本家屋を、住み心地を良く現代風に少しアレンジするといったリフォーム依頼です。具体的には浴室やキッチンなど水回りを新しくし、一部壁板を張り替えたり、照明器具を取り換える又増やすなどして、おしゃれするといったご依頼です。しかし、私が家屋を見に行った段階では、少なからず転売業者が「リノベーション済み」という名でリフォームが行われた後の家屋であり、畳敷きで欄間があるその純日本間には、アンティーク調につくられた新品家具が配置され、間接照明が取り付けられたりして京の町屋を改装した店舗のような空間が演出されていたりします。

 そのおしゃれな空間を見て「欲しい!」「買う!」とエンドユーザーは飛びつくわけです。

 古き日本情緒あふれる日本家屋は、当然現代とは建築形式が異なり、一見リフォームされおしゃれに見えるそれら家屋には、今後安心して快適に暮らすためには多くの危険が残されています。

 壁厚は7センチにも満たない土壁が多く、床下と屋根に断熱材は入っておらず、窓ドアなど建具は一枚板ガラスの木製もしくはアルミサッシ、網戸さえない家屋も珍しくありません。要するに冬はとても寒く窓を開けると虫が入ってくるということです。また、目に見えない水道管や電気配線も古いままであることや、家屋を支えている土台や根太といった構造材は腐食老朽化しており、畳なので分かりにくいですが、その多くの床は家ごと傾いています。よって勿論同時に柱や梁といった構造材も経年劣化しているわけですから、今後家屋の安全性を維持していくには、それ相応の保守メンテナンス費用が掛かるということです。

 好みとは十人十色であり、近代的なクールな建物が好きな方がおられると同時に、古い日本家屋が好きな方も多いと思います。実は、私も古民家がとても好きです。私が木の家ログハウスに魅了され、職業にした原点は今も存在する茅葺屋根の祖父母の家だと自覚しています。だからこそ、これから古き日本家屋で暮らしたいと考えておられる方には、一見みた印象だけで購入を判断されるのではなく、これから長くその家で暮らしていけるのかどうか。保守していけるのかどうかを、同居されるご家族みなさんで話し合ってもらいたいと思います。

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